痕痕レビュー この作品は、Leafのヴィジュアルのベルシリーズの第二段として発売され、今でも絶大な支持を受けている作品です。 この作品の次に『ToHeart』が発売され、Leafは一躍トップクラスのブランドに成り上がるのですが、 それも、この作品で絶大なる支持を得たからだといえます。 作風としては、この前の作品『雫』がサイコホラー的な要素が強かったのに対し、 この作品はダークな要素が残るものの、それぞれ4姉妹のシナリオに明確な方向性を持たせることで、 明確でなおかつ、それぞれのキャラクターや話しに入り込みやすいようなつくりになっています。 この後の『ToHeart』が明るい学園恋愛ものだったのを考えると、 この作品は『ToHeart』と『雫』の中間点に位置することになる作品だといえると思います。 (まぁ、単純にそういうのもどうかとも思うのですが……) シナリオは、前半二人(千鶴、梓)は現世での事件について語られており、後半二人(楓、初音)は過去について担っています。 そして、作品中で最も重要な立場に立っている人物は主人公です。 基本的にどのシナリオにおいても、中心にいます。 これが、シリアスな場面ではかっこよく、日常シーンでは暖かな感じを受けることにつながります。 そして特にこの作品の特徴ともいえるのが、 この作品は、基本的な部分ではシリアスなシーンが多いのですが、 なぜか、やり終わった後、思いつくのはシリアスな展開よりも、 魅力あふれるヒロインたちとの日常部分だということなのです。 それが、どんなにシリアスなシーンで感動したとしても、 最終的にはユーザーは、暖かい柏木家の食卓に帰ってくる。 そういう、魅力的なシナリオとキャラクターたちが詰まった作品といえます。 音楽も、「ためいき」などいい曲が多いです。 古い作品なのですが、音楽は今でも1戦級を張れるぐらいにいいと思います。 音楽的な傾向としては、落ち着いた曲が多いです。 グラフィックに関しては、リニューアル版はやっていないのでなんともいえないのですが、 古いほうのは、何か引き寄せられる魅力のある絵だと思います。 (完全に、個人的にはですが……) システムは、さすがに古いので、今のレベルは求めないほうがいいと思います。 まぁ、これについては述べられないです。 今とレベルが違うので。 キャラクター達は、主人公含め、出てくるキャラクターが本当に魅力的です。 個人的に一押しなのが「初音」です。 もう、この文字が1発変換されちゃうぐらい好きですね(笑) というか、4人姉妹、全員好きだったりするのですが。 一時期はこの作品でSSなんかも書いてみたりしたこともあります。 今となっては苦い思い出なのですが(苦笑) ちなみに、この作品はまず、バッドエンドを見ないとトゥルーエンドにたどり着けない構成になっています。 で、基本的にクリアできる順番も決まっています。 なので、徐々に作品の全体像が見えてくるといったスタイルです。 そのため、最後のシナリオまでたどり着くのは大変かもしれませんが、 まぁ、はまっちゃえばすぐですし(笑) ストーリーも、実はそんなに長くないので割りとすんなりといけるかもしれません。 「実は」と書いたのは、一つのシナリオの中身が濃いので、一つのシナリオをやり終えるとやりきった感が味わえるのです。 容量的なことをいえば、10メガ程度なんですがね。 このあたり、今のやたら高スペック要求のゲーム達にも見習ってほしいところがあります。 もちろん、現在のリーフにもです。 この作品は本当に多くの人に愛されて、現在ではリメイク化もされたりしていますが、 当時、この作品は特に注目作というほどでもなく、BBSや口コミなどで次第に広まっていった作品です。 今やっても古臭く感じることのないストーリーになっていると思います。 最後に、この作品をやるときは、できればリメイクされる前の古いほうの痕をやっていただきたいと思います。 システム、グラフィックなどはさすがに今と比べると厳しいものがありますが、 そのほうがより、痕という作品の「匂い」というものを感じることが出来ると思います。 BACK |